30代女性が疲れやすいのはなぜ?4つの原因と対処法

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20代のころは少し休むと体力が回復したのに、30代になると「疲れやすい」と感じることが増える女性もいるのではないでしょうか。年齢を重ねる度に体力の低下に悩む女性は少なくありません。生活習慣や食事を見直して疲れにくい体を目指しましょう。 そこで今回は、30代になると疲れやすくなる原因と疲労回復のためにすべきことを紹介します。

30代が疲れやすくなる4つの原因

20代のころと比べると、仕事やプライベートに変化が起きる人も多いのではないでしょうか。例えば、責任のある仕事を任せられたり、結婚や出産でライフステージが変わったりと、忙しくなる人もいるでしょう。まずは、女性が30代になると疲れやすくなる原因を詳しく紹介します。

1.加齢が原因かも

30代女性は、これから更年期を迎える時期といわれています。一般的に更年期は閉経前後10年(45~55歳ごろ)です。ただし、急に更年期に入るわけではなく、30歳前後から更年期に近づくといわれています。

更年期とは、加齢によって女性ホルモンの分泌量が減少してしまい、ホルモンバランスが乱れる時期のことです。女性ホルモンの分泌量は30代前後から減少するため、30代は更年期に近づいているといえるでしょう。 

また、漢方では女性の体は7年ごとに変化すると考えられています。21歳の成熟期、28歳に円熟期を迎えて、35歳から下降線を辿るといわれています。そのため30代から加齢によるトラブルを感じる女性も多いです。

2.PMS(月経前症候群)が原因かも

PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)とは、生理3~10日前後から心身の不調が始まる諸症状のことです。この時期に強い眠気を感じたりなぜかイライラしたりする、という経験がある方もいるのではないでしょうか。

PMSは年齢を重ねると症状が重くなる傾向があります。30代はイライラのほかに頭痛やめまい、吐き気の身体症状に悩みやすくなり、疲れを感じやすくなります。また、個人差はありますが、PMSは性格によって症状が変わりやすいです。特に真面目で几帳面な人は、PMSの症状が強く出やすいといわれています。

3.貧血が原因かも

女性は毎月の月経によって血を失いやすいため、貧血になりやすいです。そのうち約10%の女性は鉄欠乏症状態になるといわれています。そのため、「最近、疲れやすい」と感じたら貧血も疑ってみましょう。

鉄分は、酸素を運ぶ赤血球を作るのに欠かせません。不足すると全身に酸素が行き渡らず、疲れやすくなるほか、肩こり、肌荒れ、髪のパサつきといった美容面にも悪影響が出ます。

4.筋肉量の減少が原因かも

筋肉は手足だけではなく、内臓を動かすのに欠かせません。日頃から運動する習慣がないと、20歳を境に筋肉量が年々減少します。筋肉の衰えは疲れやすくなるだけではなく、体型の維持に影響が出る などの症状が表れます。

30代女性の疲労回復のポイント

20代のころと比べて「疲れやすい」と感じたら、日々の休息と睡眠に加えて、リラックスできる環境を整える、疲労回復を促進させる栄養素を摂取するなどの工夫をしてみましょう。

ここからは30代女性におすすめの疲労回復のポイントを紹介します。

ぬるめのお風呂に入る

毎日、お風呂をシャワーですませている人は、バスタブにお湯をためて湯船に浸かってみましょう。38~40℃程度の湯加減がおすすめです。ぬるめのお湯は副交感神経を優位にして、心身ともにリラックスできます。全身浴では10~15分程度、半身浴なら少し長めの20~30分を目安に入浴してください。

入浴によって体が温まると血流が促進され、全身に血液が行き渡りやすくなります。加えて、リンパの流れも円滑になり、むくみの改善にも役立ちます。また、湯船に浸かると浮力によって体重が10分の1ほどになり、体の負荷が軽減されることでリラックス状態になれるでしょう。

質の良い睡眠を取る

睡眠の質を良くするためにも、睡眠を生活の中心に置いて過ごしましょう。まずは、毎日の就寝時間を決めます。そこから逆算して夕食は就寝前の3~4時間前に摂取するようにしましょう。ただし「夕食の時間が遅くなったから」と、食事を抜くのはNGです。睡眠の質が低下してしまうおそれがあります。

また、入浴は就寝の1時間~1時間半前には済ませておきましょう。なぜなら、お風呂上がりに体熱が下がる経過で寝つきが良くなります。ぜひ試してみてください。

休日も生活リズムを意識して過ごしましょう。休みだからと夜更かししたり二度寝をしたりすると、睡眠の質が低下します。夜眠れなくなり、逆に疲れが抜けにくくなるので気をつけてください。

自分の体型に合わせて寝具を選ぶことも睡眠の質を高めるためには重要なポイントです。後頭部から首、胸から腰までの体のS字カーブをバランス良く支える枕や敷布団を選ぶようにしましょう。また、就寝中の発汗や体温変化を柔軟に対応できるように吸湿性・放湿性の良い寝具にすると、睡眠中のストレスを和らげる効果を期待できます。

適度な運動を取り入れる

適度な運動は体内の疲労物質を排出してくれます。運動はかえって疲れてしまうイメージがあるかもしれませんが、アスリートも実践している「アクティブレスト(積極的休養法)」と呼ばれる疲労回復法です。軽めのウォーキングやストレッチ、ヨガなどの適度な運動は血流を促進してくれるため積極的に取り入れてみましょう。

まとまった運動をする時間が取れない場合は、大股で早歩きをしたり、階段を積極的に利用したりするだけでも良い運動になります。

疲労回復が期待できる食材を食べる

疲れやすく、なかなか疲れが取れないときは、しっかり栄養を摂る必要があります。疲労回復に役立つ食材を摂って効率良く栄養を摂取しましょう。

ビタミンB1

ビタミンB1は皮膚や粘膜の健康維持とともに、炭水化物からのエネルギー産生をサポートする栄養素です。豚肉、かつお節、ごまなどに豊富に含まれています。

ビタミンB1が不足すると体内でのエネルギー生産が滞り、食欲不振、疲労、だるさといった症状につながります。仕事で体を動かす方は、積極的にビタミンB1を摂りましょう。

大豆イソフラボン

30代の女性の疲労回復には、大豆イソフラボンを含む食材がおすすめです。分子構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていて、体内でよく似た働きをします。女性ホルモンは30代から徐々に減少していくため、積極的に摂りましょう。

大豆イソフラボンは、大豆のほか、豆腐、きな粉、納豆といった加工食品から摂取できます。更年期の不調を和らげるとともに、肌の新陳代謝を促すうれしい効果も期待できるでしょう。

鉄分

鉄分の不足は、疲れやすくなるほかにも、集中力の低下や、頭痛、食欲不振などの原因にもなるため、30代の女性は意識して鉄分を多めに摂取しましょう。

鉄分には、ヘム鉄、非ヘム鉄の2種類があります。のりなどの海藻類に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いため、疲れているときは吸収しやすいヘム鉄を選んでください。ヘム鉄は、レバーや魚介類に多く含まれています。

ビタミンC

ビタミンCを含む食材も意識して摂取してください。ビタミンCは日焼けを防いだり、病気への抵抗力を強めたりする働きがあるほか、血管を正常な状態に保つ役割を担っています。

ビタミンCは緑黄色野菜のブロッコリーのほか、オレンジ、グレープフルーツといった柑橘類、いちごなどのフルーツに豊富です。疲れた日のデザートに活用しましょう。

クエン酸

酸味成分であるクエン酸には、疲労回復のほか、血流改善や新陳代謝を促進する働きが期待できます。また酸味が胃液の分泌を促進させ、食欲を刺激するため、食欲の低下がみられるときに役立つでしょう。

クエン酸はレモン、オレンジ、梅干しといった酸っぱい食べ物から摂取できます。お酢に含まれる酢酸は、体内に入るとクエン酸に変化するため、疲労回復のメニューに積極的に活用してください。

まとめ

30代は仕事やプライベートに変化が訪れやすく、多忙な日々を過ごす女性も多いです。疲れも感じにくく、回復力のあった20代のころと比べると、体の衰えを感じやすいでしょう。生活習慣の見直しや疲労回復につながる栄養素を積極的に取り入れてください。