質の良い睡眠とは?眠りの質を上げる7つのポイント

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しっかり睡眠を取っているつもりでも、疲れが取れず調子が好転しないと悩んではいませんか。寝ても疲れが残るのは睡眠の質が良くないからかもしれません。そこで今回は、質の良い睡眠の条件と睡眠の質を上げるためのポイントを紹介します。

質の良い睡眠の3つの条件

疲労回復には質の良い睡眠が重要です。ここでは、質の良い睡眠の条件や、それを妨げる要素について紹介します。

十分な睡眠時間

質の良い睡眠を満たすひとつ目の条件は、十分な睡眠時間を確保できていることです。15~65歳は、8時間前後が理想的な睡眠時間と言われています。

しかし、厚生労働省が公表した「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、理想的な睡眠時間を確保できている人は少ないことが見受けられます。

同調査において、1日の平均睡眠時間が「6時間以上7時間未満」と回答した人の割合は最も多く見られました。

また、「6時間未満」と答えた人の割合は男性で37.5%、女性で40.6%。特に、30~50歳代の男性、40~50歳代の女性は、4割以上が6時間未満となっています。

出典:「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)

安定した眠り

安定した眠りも、質の良い睡眠の条件のひとつです。安定した眠りを妨げる原因として睡眠障害が挙げられます。

睡眠障害にはさまざまな種類がありますが、代表的なのが不眠症です。不眠症には、主に以下の4つのタイプがあります。

・入眠障害(なかなか寝付けない)

・中途覚醒(睡眠中に何度も目覚めてしまう)

・早朝覚醒(予定していた起床時間よりも非常に早く目が覚める)

・熟眠障害(ぐっすり眠れたという満足感がない)

不眠症のほかにも、睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群、日中に強い眠気がある中枢性過眠症群、寝ている間に足に不快感があるむずむず脚症候群などがあります。

睡眠障害があると安定した眠りが保てず、睡眠の質が低下する原因になります。

規則正しいリズム

質の良い睡眠のためには、規則正しいリズムで睡眠を取ることも重要です。人の体は、自律神経の働きを変えることで体のリズムを作っており、体内時計がその切り替えの役割を担います。

体内時計は24時間より少し長いため、ずれてしまった時間をリセットするには朝の光が欠かせません。しかし、睡眠時間がバラバラだといつもと同じ時間に朝の光を浴びられず体内時計を調整するのが難しくなります。

体内時計のサイクルが正常にリセットされないと、日中に眠気や疲労を感じてしまうでしょう。特に、夜更かしや休日の寝溜めなどは睡眠のリズムを狂わせてしまう要因です。

質の良い睡眠を取るための7つのポイント

質の良い睡眠の条件を紹介しましたが、条件を満たすには日常生活でどのような点に気を付けると良いのでしょうか。質の良い睡眠に必要なポイントを7つ取り上げます。

【食べ物】夕食はタンパク質を中心に

夕食は、肉や魚、卵、乳製品などに多く含まれるタンパク質を中心に考えましょう。タンパク質は質の良い睡眠に必要なセロトニンの材料として使われます。

なお、唐辛子などの辛いものは交感神経を刺激して眠りの質に影響を与えますので、夕食では控えましょう。

また、就寝前の食事を避けることも大切です。胃は就寝後の深夜~明け方に、老廃物を十二指腸に送り出す空腹時運動をします。寝ている間に空腹時運動を終わらせるには、就寝の3時間前には食事を終えておくのが望ましいです。

特に、寝る直前に脂肪分の多い食事をとってしまうと、胃で十分に消化できず、睡眠の質が下がってしまいます。朝起きたときに胃もたれしたり、疲れが残ったりすることもあるので、食事の内容やタイミングに気を付けて夕食をとるようにしましょう。

【飲み物】体を温めるものを飲む

眠りに就く前は温かい飲み物を飲みましょう。温かい飲み物で体を内側から温めると、体温が下がる際に自然な眠気を促してくれます。おすすめは、胃腸への負担が少ない白湯や体を末端まで温めてくれる生姜湯です。

なお、温かい飲み物でもカフェインを含むものは覚醒作用があるため、就寝前にコーヒーや紅茶などを飲むのは控えましょう。

【入浴】ぬるま湯にゆっくり浸かる

質の良い睡眠を取るには、入浴も重要です。入浴によって上昇した体温が下がると、眠気を引き起こします。入眠の準備を整える意味でも、入浴はおすすめです。

体の内部をよく温めるには、39~40℃のぬるめのお湯に10~15分間くらい浸かると良いでしょう。ぬるめのお湯だと徐々に深部が温まり、交感神経が刺激されるのを防ぎます。

入浴のタイミングは就寝前ではなく、入浴後に体温が下がっていくのを見越して、眠りにつく1時間30分ほど前がおすすめです。眠気が引き起こされる時間は個人差もあるため、自分に合った入浴のタイミングを見つけましょう。

【運動】適度な運動で体をほぐす

質の良い睡眠のためには、日中に体を動かすことも大切です。運動をすることで生活リズムにメリハリが生まれ、自然な眠気を感じるようになります。日中はウォーキングやジョギングなど適度な運動を心がけましょう。

ただし、就寝前の運動はおすすめしません。息が上がるような激しい運動は、交感神経を刺激し睡眠にも影響してしまいます。就寝30分~1時間前に運動するなら、ヨガやストレッチなど、リラックス目的の運動がおすすめです。

【光】朝は太陽の光を浴びる

質の良い睡眠のためには、朝は太陽の光を目に入れることが大切です。朝起きて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされて生活のリズムが生まれます。

寝る時間にメラトニンを分泌させるのにも太陽の光は重要です。メラトニンは睡眠ホルモンともいわれており、睡眠の質を左右します。

メラトニン分泌のためには、眠りに就くときの照明にも気を配ると良いでしょう。昼光色のような晴れた昼に近い光は、メラトニンを減少させることがあります。

よく眠れるようにするためには、寝室の照明は暖色系を選ぶのがおすすめです。

また、明るい光を発するスマートフォンなどの操作も寝る前には避けましょう。寝る前にスマートフォンなどを操作する必要がある場合などは、ブルーライトカット効果のある眼鏡などを活用するのがおすすめです。

【音楽】リラックスできるものを選ぶ

睡眠の質を上げるためにも、睡眠時の音にも注目してみましょう。波の音や風の音など、自然の音を聴くとリラックスできるといわれています。心地良く感じる自然の音を見つけて、睡眠前に流すのもおすすめです。

しかし、入眠は良くなっても、音量が大きいと睡眠の妨げになってしまうこともあります。音量は控えめにして、睡眠中に音で目覚めることのないよう、タイマーをかけて自動的にオフになるようにしておくなどの工夫をしましょう。

また、睡眠中はそのほかの音が睡眠を妨害しないようにすることも大切です。外の音が気になる場合は窓ガラスやカーテンなどで対策をしたり、耳栓をしたりするなどして、大きな音が耳に入らないようにしましょう。

【寝具】自分の体に合ったものを選ぶ

質の良い睡眠のためには寝具選びも注目したいポイントのひとつです。特に、体を支える枕やマットレスは、自分の体に合っていないものを選ぶと寝起きの疲労感や体の痛みにつながることもあります。

枕を選ぶときは、仰向けで寝たときの首の角度が15度くらいになるような高さを選びましょう。目安としては、首や肩に力が入らない、もしくは呼吸しやすい位置です。枕が低くて高さが合わない場合は、タオルを入れて調整すると良いでしょう。

マットレスに関しては硬い方が良いといわれることもありますが、ベストな硬さは体型によって異なります。

マットレスを選ぶ際は、立っているときの姿勢を睡眠中でも保てるように、S字カーブを描いた自然な姿勢がとれるものがおすすめです。自然な姿勢をキープできると、寝返りも打ちやすくなり睡眠中の圧力もうまく分散されるため、質の良い睡眠につながります。

まとめ

朝、目覚めたときに疲労感があるのは、睡眠の質が低下している可能性があります。睡眠の質を向上させるには、睡眠のリズムや睡眠時間を意識するだけでなく、入眠しやすい環境を作り上げることも大切です。今回紹介した食事や入浴、運動など、できることから試してみてください。