「運動後の食事で太る」は本当?筋肉を落とさず痩せる食事方法

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「運動後に食事をすると太る」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。痩せるために頑張って運動をしているのに、その後の食事で太ってしまっては、元も子もないと感じるものです。 そこで今回は、運動後に食事をすると太るのかという疑問にお答えするとともに、筋肉を落とさずに痩せる方法、痩せるためにおすすめの運動のタイミングについて解説します。

「運動後の食事で太る」は本当?

運動後の食事は、必ずしも太るわけではありません。

運動後の食事が太るといわれるのは、運動後は栄養素の吸収率が高いとされているからです。とはいえ、それが直接太る原因になるわけではありません。

太るのは消費カロリーよりも摂取カロリーが上回った場合です。太るかどうかは食事をするかどうかではなく、なにを食べるかによります。太るのを避けたいなら、食事のとり方に注意することが大切です。

運動後は炭水化物や脂肪分の多い食材に注意

運動後に摂るのを控えたい食材は、炭水化物や脂肪分の多いものです。

運動後の栄養の吸収率が高いタイミングで炭水化物や脂肪分の多いものを食べると、脂肪に変わりやすいといわれています。運動直後は、ご飯やパン、麺類から食べることは控えましょう。   

運動後に必要な栄養素もある

運動後の食事に気をつける必要があるからといって、食べないほうが良いわけではありません。筋肉をつける、疲労回復を促すといった点から、運動後に食事をすることは大切です。

運動後は体内に蓄えていたエネルギーが減少し、筋肉の細胞も損傷した状態になっています。

運動後の食事で、筋肉の合成をサポートするグリコーゲンやアミノ酸が摂取されると、筋肉の分解を止めることができます。また、グリコーゲンを蓄えれば疲労回復を促せる点からも、運動後の食事は重要です。

運動後の食事で特に意識して摂取したいのがタンパク質です。タンパク質は、筋肉の合成や修復をサポートする栄養素で、トレーニング後の食事に欠かせません。

タンパク質を食事で摂れない場合は、プロテインなどを活用して意識的に補給しましょう。

筋肉量を減らさず痩せる食事のコツ

減量を成功させるには、筋肉量をキープしつつ脂肪だけを減らすことが大切です。筋肉量を減らさずに減量するための食事方法を紹介します。

自分の基礎代謝量に合ったエネルギーを摂る

筋肉量をキープするには、自分の基礎代謝量に合ったエネルギーを摂取することが大切です。基礎代謝量に見合ったエネルギー摂取ができていないと筋肉量が低下し、痩せにくい体になります。

年齢別に基礎代謝量の基準値を紹介しますので、自分の基礎代謝量を計算してみましょう。

年齢

男性(kcal/kg/日)

女性(kcal/kg/日)

15~17歳

27.0

25.3

18~29歳

24.0

22.1

30~49歳

22.3

21.7

50~69歳

21.5

20.7

70歳以上

21.5

20.7

出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「加齢とエネルギー代謝」表1:日本人の基礎代謝基準値[1]

自分の基礎代謝量は、上記の基礎代謝量基準値をもとに計算することができます。この計算式で算出した数値が、1日に必要な摂取エネルギーです。

基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×体重(kg)=基礎代謝量

例えば、年齢が18~29歳、体重が50kgの女性であれば、以下のとおりです。

22.1(基礎代謝基準値)×50(体重)=約1,100kcal

摂取エネルギーが基礎代謝量を下回ると筋肉量が低下し、減量しにくい体になってしまいます。運動するかどうかに関係なく、基礎代謝分のエネルギーは毎日摂取しましょう。

タンパク質、ビタミン・ミネラル、食物繊維を中心に

食事では、脂肪燃焼をサポートし、筋肉量アップや代謝アップに役立つタンパク質やビタミン・ミネラル、食物繊維といった栄養素をしっかりと摂取しましょう。それぞれの栄養素の役割を詳しく説明します。

タンパク質

タンパク質は、筋肉や骨、血液などを作る栄養素です。筋肉を維持し、増量させるには、タンパク質の摂取が欠かせません。

タンパク質を補給しないと筋肉量が低下し、基礎代謝量が落ちて痩せにくい体になる可能性があります。

タンパク質は大きく「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」に分かれ、それぞれ次の食材に多く含まれています。ぜひ毎日の食事で取り入れるようにしましょう。

・動物性タンパク質…肉、魚、卵、乳製品

・植物性タンパク質…穀類、大豆、大豆製品  

ビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルはエネルギーの代謝に欠かせない栄養素で、不足すると代謝が滞ってしまうおそれがあります。ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物、海藻などをしっかりと摂取し、スムーズな代謝を促しましょう。

食物繊維

食物繊維には、体内の老廃物の排出を促す作用が期待できます。特に便秘になりやすい人は食物繊維を意識して摂取するのがおすすめです。食物繊維は、野菜や果物、海藻、キノコ、穀類、豆類などに豊富に含まれています。

低脂肪の食材を選ぶ

脂肪分はあらゆる食材に含まれています。効果的に痩せるには、意識して低脂肪の食材を選ぶことが大切です。

低脂肪の食材を選ぶため以下の点を心がけましょう。

・肉:赤身の多いものを選ぶと、脂肪分の摂取を控えることが期待できます。鶏肉の皮は剥がす、ロースやバラなど脂身が多いものは避けるのがおすすめです。

・魚:青魚は比較的脂身が多いので、白身魚かカツオやマグロなど赤身の魚を選びましょう。

・乳製品:乳製品には意外と脂肪分が多く含まれています。低脂肪や無脂肪のものを選ぶと良いでしょう。

・調味料:マヨネーズやドレッシングは必要以上に使わないようにしましょう。できるだけノンオイルのものを選ぶようにします。

食物繊維から食べる

食後の血糖値の上がり方もダイエットに関係しています。体は食べたものから吸収していき、血糖値を上昇させます。血糖値が上昇すると、体はインスリンというホルモンを分泌して血糖値を下げるのです。この過程で、体は血中の糖分を脂肪に変えて、体内に蓄積する働きをします。

そのため、空腹状態でいきなり糖質が多い食べ物を摂取すると、血糖値は急激に上昇してインスリンが過剰に分泌され、必要以上に糖分を脂肪としてためてしまうのです。

一方、食物繊維は、吸収に時間が必要なため、血糖値の急上昇を抑えてくれます。噛みごたえもあるので、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。太りにくい体を作るのであれば、野菜や豆類、海藻などの食物繊維を多く含む食品から食べ、その後炭水化物を食べるのがおすすめです。

食べる順番に気を付けて、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。

痩せたい人におすすめの運動のタイミング

運動する時間帯にもこだわると、より効率良くダイエットを行えます。トレーニングをするのにおすすめのタイミングを紹介します。

夕方の運動がおすすめ

運動するなら、夕方の時間帯を選びましょう。朝と比べて夕方のほうが運動能力は高く、効率良く体を鍛えられるからです。

また、夕方に運動をすると精神的な緊張が解きほぐれ、体温が上がることで熟睡しやすくなるといったメリットがあります。熟睡すると心身の疲れも取れやすく、日々のパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。

筋トレ後の有酸素運動で脂肪を燃焼

筋トレは筋肉量のアップに、有酸素運動は脂肪の燃焼に効果的な運動なので、効率良く痩せたいなら両方を取り入れるのがおすすめです。

筋肉量をキープしつつ減量したいなら、まずは筋トレを行い、その後に有酸素運動を行いましょう。

筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が促され、体内の血糖値が上がるため、体脂肪が分解されて血液中に放出されます。筋トレ後に有酸素運動を行うと、脂肪を効率良く燃焼させることができます。

まとめ

運動後に食事をすること自体は太る原因にはなりません。大切なのは、太りやすい食材を避け、運動後に必要な栄養素を補給することです。

タンパク質、ビタミン・ミネラル、食物繊維といった筋肉を作ったり、代謝を促したりする栄養素は意識して摂りましょう。また、自分の基礎代謝量に合ったエネルギー量を摂取することも、痩せやすい体づくりに欠かせません。

食事の内容や運動するタイミングに気をつけて、ダイエットを成功に導きましょう。